ひろゆき

トニー滝谷のひろゆきのレビュー・感想・評価

トニー滝谷(2004年製作の映画)
3.2
銀幕短評 (#224)

「トニー滝谷」
2005年、日本。 1時間 15分。

総合評価 63点。

トニー滝谷(たきたに)は、主人公である日本人の名。
この映画にはマズイ点がいくつか(も)ある。

まず、女優はよいとして、主役のトニー滝谷役に あの役者は、どうにもイメージがちがうぞ。では たとえば、たとえば 誰がいいだろうか?

シーンを切り替えるときに、カメラをパンして壁を使って暗転明転するのはよいが、あまりにも多用しており うんざりする。同じ変化球ばかりを投げるピッチャーのように。

主役たちに語らせるセリフのなかに、小説の地の文をまぎれ込ませる手法も始めは目新しいが、いかにも多用しすぎており、代わり映えがせずに興趣がそがれる。原作小説(村上春樹「トニー滝谷」)への 脚本家の妙な思い入れが強すぎるのか。

とはいえ、原作ものがたりの骨格がしっかりしておもしろいために、映画として破綻せずに どうにかすんでいる。どうりで、ヒット作の小説やマンガに乗っかる映画が多いわけである。「納屋を焼く」の映画もできたようなので、そのうち観てみよう。

全編でピアノソロを通奏する音楽が とりわけすばらしいなあと観終わったら、坂本龍一だった。うまいひとはやはりうまい。
ひろゆき

ひろゆき