Taul

トニー滝谷のTaulのレビュー・感想・評価

トニー滝谷(2004年製作の映画)
4.0
『トニー滝谷』(2005) 村上春樹の世界を市川準とイッセー尾形が再現。イメージビデオのようで映画としては物足りさもあるが、その分思い切った演出や構図が新鮮で雰囲気が絶妙。ゆったりとしたパンはページをめくるようだ。宮沢りえの美しさや坂本龍一のピアノもよく切なさが心地よい小品。

『トニー滝谷』DVDで初鑑賞。村上春樹原作ものではその世界観に一番忠実な映像化では。まさに彼のライフワークの喪失がテーマで分かりやすく、物質と記憶のメタファーも面白い。小説を元に映像(というより挿絵的)で小説を書き直した感じ。切り取られたトニーの半生の一瞬一瞬が印象的だった。

2014年6月鑑賞
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