鳥さんの瞼

サスペリアの鳥さんの瞼のネタバレレビュー・内容・結末

サスペリア(1977年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

はじめから物量がすごい。建築が神
案外ビックリ系。冒頭から不条理な殺害に混乱。
グロいが作り物感が強く、キツくない。粉っぽい朱色の血が特徴的。


朱いライトが特徴的とは知っていたが、個人的には音楽の素晴らしさに感動。途中からこのために観ていた。
ここぞで流れるBGMの、底を漂う低声が効いている。足元が頼りなくなる柔らかい不安。
忍び寄る鍵盤やそぞろな刻みも良い。

蛆虫シーンやダニエルさん死亡シーンをはじめ、陽気ながら極めて神経質なBGMもいい(ティンパニ?とかすごい)。
お祭りっぽくてちょっと笑いそうになるが笑いを曖昧にのみこませる緊張感がある。
急な無音も意地悪で好き。


画面は華やかなライティングにずっと目がいく。
構図がずっと美しいままカメラが滑っていくので凄かった、セットを注意深く作っているのだろうなと思わせられる。
少女やスタイリング、調度品の可愛いさへ注視している暇がなし。唐突な暗転も良い。
引きの俯瞰が印象的でした。


筋をきちんと握れていなかったのですがライトと音の楽しさで満足度高い。
ラストで主人公の死んでいる結末も見てみたかったなと思った。エンドロールへの入りが鮮やか。
なんだか全編パワーが強かった印象になった。

電車で見ている最中、物凄く汗をかいている人の近くから逃れられなくなりやや不快だったのですが映画にはとても合っていました。
美しいけれど薔薇より体液の匂いの方が似合う映画。
鳥さんの瞼

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