ワルキューリ

サスペリアのワルキューリのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
3.8
フライブルクの名門バレエ学校への入学が決まったスージーは、その学校への初訪問で女学生が何かを叫び、走り出す姿を目撃する。女学生パットは何者かに殺され、スージーは自分が見た姿を証言した。
バレエ学校の寮に寄宿することになったスージーだが、学校内では不可解な事件が続発する…

「決して一人ではみないでください」
この煽り最高だなあ。ふつうこれ見たらどんなオッソロシイもん見せられるかと思うでしょ。実際いきなり見せられる死体がすごくキレイ(自分はそういう気はないです、念のため)で、鮮烈さが脳に焼き付けられる。
この方向で進むかと思いきや、一転生理的嫌悪感を引き起こす虫演出、さらに人智を超えた存在をほのめかしていくから混乱させられっぱなし。
最後まで見て「一人でみないで」は「あれどういう意味?」と隣の人に話しかけたくなる、ってことだったと分かる(笑)

画面を覆う特徴的な原色は、入り乱れているように見えて落ち着いてみるとそれぞれパターン化されていると気づく。気分が高揚する赤、不安の青、どちらともつかない緑…この上にゴブリンの音楽が重なり、引き立てていく。

いかようにも解釈できるところを含めて、実に蠱惑的な作品でした。