みおこし

くまのプーさんのみおこしのレビュー・感想・評価

くまのプーさん(2011年製作の映画)
3.6
『1900年』の長さと内容がトラウマ過ぎてノックアウトされてしまい、しばらく重めの映画が観られない体質になってしまいました…(笑)。いよいよ日本でもDisney+のローンチも決まりましたが、それまでにDisney Deluxeで観られる作品をありったけ制覇しておこうと思い、プーさん関連映画を観て心に癒しを!

キャラクターのスピンオフ作品や番外編は別として、純粋にすべてのキャラクターがフィーチャーされるプーの長編映画としては1977年の『くまのプーさん 完全保存版』以来。2011年ということ(もう9年前か…)で、すでにフルCGアニメーションでの映画制作がほとんどだったディズニーですが、本作は数少ないセル・アニメーション作品。ちょっぴり絵のタッチが昔と変わっているものの世界観は全く同じ。いつも通り100エーカーの森で起きるなんてことない日常がゆるゆる描かれ、なんだか懐かしさがこみあげてきてほっこりしました。あの有名なテーマ曲をはじめ、ズーイー・デシャネルがアーティストとして参加しているのですが、彼女の優しい歌声はプーにぴったりですね。キャッチ―な新曲ばかりなのですが、作詞・作曲を手掛けたのが『アナ雪』シリーズでおなじみのロペス夫妻ということで納得です。

大人になってプーさんを観ると、改めて“常識人”といえるキャラクターはラビットとカンガ&ルーだけだなと痛感(笑)。どこまでもマイペースなプーは常にはちみつの貯蓄のことを考え、ティガーは空回りしてトラブルを起こし、ピグレットとイーヨーはネガティブ過ぎ。それでもなぜ、こんなにどのキャラクターも愛おしく思えるのかなと考えてみたら、この子たちに共通しているのはみんな本物の友達思いであるという点。「あー、もうまたティガーがやらかしてるよ!!」とため息をつきながらも、結局はお互いの失敗や個性を受け入れ、一緒に問題に向かっていくのです。簡単に聞こえるけれど、これって本当に難しいこと。現実世界の私たちに大切な教訓を教えてくれます。
本作でも、イーヨーのしっぽのためにみんなで頭を抱え、一番貢献したとあるキャラクターを最後はしっかりねぎらい合います。『トイ・ストーリー』のキャラクターたちの友情も美しいけれど、プーたちのそんな暖かい絆は個人的にディズニー作品の中でもトップだと思っていて本当に好きだし憧れ。今回も癒されました~!
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