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イカレた一夜のghostboatのレビュー・感想・評価

イカレた一夜(2001年製作の映画)
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序盤は売人の若者を扱ったストリート映画なんだが、クラブでナンパした女の子を交えて男1人女2人でホテルのスイートルームに入ってから3Pを匂わす室内劇に変わる。そこからは素人ナンパAVのインタビュー部分を拡張して脱線させたゲスいやり取りが始まる。もちろん部屋に入ったら最後で、そのまま場所を移動せずに夜明けを向かえるという最高の展開に。正確にいえばホテルを出るシーンはあるけど、行って戻ってきての繰り返しで、常に誰かしらが部屋に残っているという感じ。乱入してきたムショ帰りの男にさらわれたり、金払わない客に路上ATMで金を降ろさせにいったり、騒がしい外出が何度かある。ホテルの部屋を起点とした往復運動って感じ。夜道の撮影はどれも絶品。終盤、ひとりだけ部屋に残ったドワイヨン娘の背後に映る窓の向こうの景色が朝になっているのが超エモい。手持ちカメラによる生々しい描写がリアルタイム感を出していて良いんだが、寄り気味のショットが多いのが残念。エレベーター前で言い争う女2人を引きで撮って欲しかった。ホテルの廊下は引きで撮るべきです。3人で話しているときに唐突なズームが何度かあるが、どれもフレーム内に2人だけを収めるように使われてる。3人の会話ってどうしても1人だけが除け者になるんだけど、それを露骨に表現した描写に感じた。イラッとする会話の内容も含めてどことなくワイダの『夜の終りに』っぽい。
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