みおこし

ハード・プレイのみおこしのレビュー・感想・評価

ハード・プレイ(1992年製作の映画)
3.6
皆さん仰っていますが、この邦題は本当にミスマッチの極みですね(笑)。

L.A.のヴェニス・ビーチでプレーする黒人のストリート・バスケットボール選手のシドニーと出会った、白人のビリー。ビリーは学生時代に選手だったが、自らの肌の色がバスケットボール選手として成り上がっていく為には影響すると夢を諦めていたが、ひょんなことからシドニーとコンビを組むことになり...。

最近偶然ウェズリー・スナイプスの映画を何本も観ているのですが、こういうチャラめの役から、硬派な役まで変幻自在に演じられるステキな役者さんですよね。本作でも、本物のバスケットボール選手にしか見えない雰囲気を見事に醸し出し、実際にプレーを見せてくれるシーンもたくさんあって素晴らしかったです!
そして今や演技派の代表格になりつつあるウディ・ハレルソンが、本作では野心溢れる若者を好演。本作は『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の前の作品で、まだ彼が性格俳優として世の中に認知される前だったからか、青春映画にありがちな、どこかスカした感じの不良青年の役柄がかなり違和感でした(笑)。ちょっとカッコつけるシーンもあって、個人的にはこんなウディ兄貴を観たことがなかったので、結構な衝撃を受けました(笑)。彼もバスケシーンを実際に演じていたようで、その場面はとってもクールでした!!

何とあの巨匠スタンリー・キューブリックが、晩年に気に入っていた作品とのこと。
バスケットボールを通して、人種を超えた友情やライバル意識、そして若者の成長を真っ直ぐに描いた作品なので、とても観やすかったし人間ドラマとしても楽しめました。迫力あるバスケのシーンは言わずもがな、スナイプスとハレルソンの軽妙なトークが最高。アメリカ映画にお決まりの、あの軽口叩いてディスり合う感じも個人的にツボ(笑)。
音楽やファッションも、90年代のロサンゼルスのポップ・カルチャーがふんだんに盛り込まれていて、どこか懐かしい気持ちになりました。

ビリーの彼女でクイズ女王のグロリアがナイスキャラ(笑)。演じるロージー・ペレスはこの時代本当にたくさんの名作に出ていますね!
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