回想シーンでご飯3杯いける

愛と青春の旅だちの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
3.0
ジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズが歌った主題曲は、当時海外の音楽に興味を持ち始めたばかりの僕にとっても、非常に印象深い曲。とは言っても、ジョー・コッカーも上映当時で既に超ベテラン。映画自体も年長者もしくは保守層の若者をターゲットにしていたのではないかと思える。

士官学校で鬼軍曹による特訓に耐えながら主人公が成長していくストーリーは、この数年後にスタンリー・キューブリックも「フルメタルジャケット」で取り入れているもので、軍隊が日常と地続きで存在するアメリカならではという感じがする。ただ「フルメタルジャケット」は特訓を否定的に取り上げていたのに対し、本作では結構美化されているのが大きな違いだ。

士官候補生と基地周辺に住む若い女性との恋愛もストーリー上の大きな柱で、リチャード・ギアの若々しい姿も含めて見所になっているが、エリートとの結婚を至福とする女性の描き方は、現代の目線で見ると流石に古く感じる。

この映画が上映された'82年と言えば、日本では大映ドラマが人気だった時代。あれと同じ感覚で見られる安定の感動作という感じか。ただ、それも40年前の話。今の目線で評価すると少し厳しいものがあるのは仕方ない。