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愛と青春の旅だちのabeeのレビュー・感想・評価

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
4.0
【愛がぼくらを高めてくれますように。】

「愛と青春の旅立ち」。
これはなんといえばいいのかなぁ。
鉄板のフレーズというか。3つの単語の集合体では最早無く、ことわざ的な⁇映画のタイトルというよりも若者の象徴というか。

いやーー、偏見で「こういう作品だろう」と決めつけていましたね。
ちゃうかった。
青春の酸いも甘いも詰まってた。

何より、リチャード・ギア演じる主人公のザックの人生は未来への希望に満ちているのです。
彼を底辺から這い上がらせたのは友情、愛、そして大切な人の死。
生まれた場所も、育った場所も関係なく、大事なのは自分、そして出会った人々とどう生きるか。

でもそれは逆も然りで、士官学校で出会った親友のシドはザックの人生と上手く対比して描かれます。

裕福で恵まれた家庭に生まれたシドとフィリピンの娼館で娼婦に囲まれ、差別を受けて育ったザック。
この2人はそれぞれ同時にある女性と出会い、恋をします。
同じ場所にいても違う結末が訪れるのは当たり前のこと。
なのに人間の価値を生まれた場所やその時にいる場所(肩書)で決めてしまうことがありませんか?分かっていても、人を測る物差しの一つにしてしまっている自分がいる。

この作品は同じような人物の対比が上手く使われていますよね。
ザックとシドだけでなく、ポーラとリネット、ザックと父親。
原題の「an officer and a gentleman」にこのような人物の対比が詰まっているように思います。

ということで、凄く好きな映画でした。
アメリカン・ニューシネマの名残を感じる同じような匂いのする作品でした。
シドの迎える結末がこの作品をより高めていました。

ただ、最後のリネットが納得行かず…
最後の最後まで嫌な女でいろよって感じでした。
ポーラはあんな女でも許せて友達関係続けれるのかな⁇
少なくとも、私は絶対ムリだな…
abee

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