みおこし

名もなきアフリカの地でのみおこしのレビュー・感想・評価

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)
3.3
第75回アカデミー賞で外国語作品賞に輝いたドイツによる1本。

1938年、レドリッヒ家はユダヤ人であるために、迫害から逃れるべくケニアのロンガイへ向かう。娘のレギーナはすぐにアフリカに馴染み、黒人の子どもたちや料理人のオウアとも仲良くなるが、一方、父のヴァルターと母イエッテルは現実が受け入れられず不満が募るが...。

現代に生きる日本人にとって、こんな過酷な状況に陥るなんて、正直想像を絶します。しかもアフリカというヨーロッパでの生活とはかけ離れた環境で新たに生きていくことになるとは、想像もしていなかっただろうから、それに適応するのに時間がかかるのは仕方ないなと。
娘のレギーナちゃんが早々にあの環境に慣れたのは、まだ彼女が幼くて純粋だからこそであり、両親二人は長年の経験・生活とのあまりの乖離に戸惑ってしまうのも納得です。それでもイエッテルがオウアに冷たくするのは、かなりイラっとしてしまいました(笑)。不倫にも走っちゃうし〜!!
でも極限状態だと人はこうなっちゃうんだろうなぁ。

個人的に一番グッときたのは、レギーナちゃんとオウアの心の交流。成長期の大事な時期に、あんなに心優しくて楽しいお兄さんが身近にいたら、どんなに心強いだろうなと...。人種問題の闇に晒されていた張本人が、そんな偏見一切持たずにオウアと心を通わせていく姿にウルウル。

ケニアの景色も美しかったし、家族が危機を乗り越えていく姿にも鼓舞されたのですが、ちょっと尺が長すぎた印象...。
みおこし

みおこし