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名もなきアフリカの地でのromioのレビュー・感想・評価

名もなきアフリカの地で(2001年製作の映画)
2.8
ドイツやその周辺の国で迫害されるユダヤ人の話は多々あるが、こちらはそんなユダヤ人の一家が迫害から逃げるためケニアにやってきたというちょっと変わり種。
また、他のレビューを読んでいたら、主人公らが適性外国人としてケニアで英国人に囚われるのだが収容施設は高級ホテル。これは、アパルトヘイトの影響で敵とはいえ白人が黒人が住むようなところに暮らさせるわけにはいかないという考えでこうなったとか。豪華でいいなーとポケーっとみていたがそういうことだったのねと。

でユダヤ人の話かというとそういうわけでもなく、主テーマは異文化の中で生活する人の成長を描いた作品であった。
料理人の黒人とすぐに仲良くなり現地の子供とも遊び言葉も覚え楽しく生活する娘。(子供は強い!)
現地でしばらく生活していた父。
冷蔵庫を買ってきてと頼まれて、自分のドレスを買ってアフリカにきてしまうような母。
序盤で、現地の人を見下し続ける母に対し、父が君はナチと変わらないというところから始まり(人が三人いたらそこにはもう差別があるというそのもの)、
そんな母がだんだんと受け入れ馴染んでいくというのが本作の見どころの一つだと思うが、その様子がうまく描かれていないように感じた。
老人の死というのがきっかけだと思うが、けっこう?だし、気がつくと完全順応、もうここで暮らしたいという母がそこにいるので、うーん、徐々に慣れていったのかなと想像するだけに終わる。
また、常に逆をゆく夫婦関係で、あったり、この母の異性関係であったりも中途半端に感じた。
原作はドイツで大ヒットした小説というのでこちらではその辺りも楽しめるのだろうか。
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