このレビューはネタバレを含みます
なんだこの明るさを装った鬱映画は!笑
今作は終始ソン・ガンホの演技力が光りまくってます。
というか彼の出演作はどれもそうなのですが、今作は特に「虚しさ」のこもった表情、泣きの演技が言葉にならないほど素晴らしい!
最初とラスト付近で同じように無理やり拇印を押させようとする描写がありますが、後者は前者に比べてかなり手慣れた感があり、ヤクザとして成長していってデカイ家も手に入れ、その点では成功者のはず…なのになんとも虚しいラスト。
家族のために働いてきたはずが、やる事なす事裏目に出続け、最終的には破綻しかけた家族との仲もある程度和解したものの別居となり、虚しさに打ちひしがれる姿が限りなくリアル。
ストーリーとしては正直面白みは感じられませんでしたが、この映画としては描きたいのは非日常ではなくあくまで日常的な姿なのだろうと感じたのでそこは好みかなと。
しかしソン・ガンホでなければここまで魅力的な作品には仕上がらなかったであろうと思う。