イチロヲ

バッタ君町に行くのイチロヲのレビュー・感想・評価

バッタ君町に行く(1941年製作の映画)
3.5
都会のど真ん中で暮らす昆虫たちが、人間による侵入被害を受けてしまう。擬人化された昆虫視点の冒険譚を描いている、アニメーション作品。フライシャー・スタジオ製作。

世界初のミュージカル・アニメーションと称されている作品。奥行きを感じさせる映像作りは、完全に「ベティ・ブープ」の応用だが、クオリティアップにともない、ここで極に達したといえる。音と映像のシンクロが、とにかく心地よい。

主人公バッタの「世渡り上手なチャラ男」にリアリティがあり、黒髪にスーツを着込んで、決められた仕事を淡々とこなすタイプよりも、茶髪にくたびれた服装を着て、飄々と世渡りできるタイプのほうが、ずっと異性にモテるという現実が伝わってくる。

本作品は、スタレーヴィチ作品のような本物の昆虫を使ったストップモーションに脳内変換させながら鑑賞すると、キモ楽しくなってくる。なお、DVD版はリマスターのはずだが、なぜか画面端に陰毛が出る。
イチロヲ

イチロヲ