あるぱか

マレーナのあるぱかのネタバレレビュー・内容・結末

マレーナ(2000年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

美しいショット、美しい音楽、そして何と言っても美しすぎるモニカ・ベルッチの魅力に酔う。

後半、ゲスすぎる仕打ちに胸が締め付けられるのに、ラストがここまで美しいシーンになるのはなぜだ?
音楽?情景?締めくくる語り?作品から伝わるメッセージ?

群衆たちの反応がうまく使われていて、というか、少年とマレーナ、群衆の三者どれもが主役と言っていい。憧れから嫉妬、憎悪に変わり、噂が一人歩きして、群衆によってマレーナは街から追いやられてしまう。それでも最後は街に帰ってくる。どんなに辛いことがあっても、この場所が唯一生きる場所なのか。生きなければいけない、強いメッセージが伝わってくる。

少年の甘酸っぱい忘れられない恋も良かった。実際にマレーナと話すのは最後の一言だけ。それまで少年は幼さもあってか、マレーナを見守り、祈ることしかできなかった。だけど、そうした想いも最後の手紙によって実を結んだと思う。マレーナは全く少年のことを知らない。だけど少年の小さな勇気によって少しばかり救われたと思える。

映画的に名場面がたくさんあって、また何度もみたいと思った。特に、髪を染めたマレーナが咥えたタバコに男達が次々に火を差し出すシーン。マレーナの表情、堂々の貫禄…!

それにしてもモリコーネの今回奏でる音楽、無茶苦茶に美しくて、何故か故郷の情景が浮かぶような、そんな懐かしい感覚にさせる魔法のようなメロディで、永遠に余韻に酔いしれる。
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