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パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たちのdjangoのレビュー・感想・評価

5.0
深い映画だった。
海のように。

法を超える正義とは?
愛と仁義。
ラスト周辺はうるうるしてくるね。
この映画は完璧に仁義を表現出来ているのではないでしょうか?
基本的に西洋人に仁義は難しい。
しかし、法の外にいる主人公サイドに共感させるにはそのコースを突くしかないという。情とか。そんな類のもの。

この映画は、超個性的なキャラクターと魅力的なテーマ曲があれば、重厚なテーマなんかなくても超傑作に成りうるということを示したと思う。
海賊と海軍が派手に小競り合いしただけというストーリーを中身が無いと言う人も多い。
しかし、ストーリーのスピード感と、(特に序盤)情報量は非常に多い。
世界観の作り込みやね。
これをしっかりやってる。
瞬間、瞬間に情報を潜り込ませるわけ。
鍛冶屋が初めて映った時、まるで死んでいるかのように酔っぱらって寝ている親方がちょっと映る。
それで、その前のシーンで総督のところにウィル・ターナーが剣を献上しにいくシーンがあるわけ。
何も説明してないんだけど、注意深く見たら、違和感を覚える。
そして、最後に感動を生んでくれるわけ。
実は、滅茶滅茶丁寧に作られた映画なんですよね。
ジャック・スパロウの登場シーンにしても、ほんの数シーンで完全に客の心を掴むような仕組みになっている。
それでいて、ジャック・スパロウの性格を完璧に説明している。
登場シーンは2人の主人公を対比させる作りでしょ。
海賊の登場シーンでは、母親を呼びながら泣いている子供の背後から物が倒れてくるところを母親らしき人物が救う描写があって、海賊の残酷さをよく表現出来ていた。
この映画は実は、海賊があまり悪いことをしないので大事なシーンなんだよね。
海賊同士の内輪揉めに、指揮官の恋愛感情+親心によって海軍が無理矢理参加させられた話なんでね。
序盤で、ジャックもウィルも剣の達人だよ。って見せてくるのだが、2人とも背後から一撃食らって倒れるシーンが少し後にある。
全く別のシーンでそれぞれ、簡単に気絶しちゃう。
決闘は出来ても、多人数と戦えない人達なんだな。というルールが示される。
世界観だね。
暴れん坊将軍ではない、と。

この映画について語ると、どれだけ長くなるんだってなるから、あと少しにしておく。

大人になってわかる、ノリントン提督のかっこよさ。
ジャックよりもウィルよりもかっこいい。泣ける。
彼は、本物の男だ。
海賊の話と見せかけて、1番かっこいいのはノリントン提督なんだよな。
大人にならないとわからない…。
これが上手い隠し味になっているんよね。
地位だけの男かと思っていた男がラストにかっこよすぎるから、それが視聴者へのカウンターになるんよね。

そんなこんなでいろいろ書いたが、本当は『キングダムハーツ3』の前に、ちょっと関連作を観直しとくか。
程度の軽い動機であった。
ジェームズ・ガン事件以降、ディズニー全然観てないからなぁ。
困った。
とりあえず、今夜は最高。