青べか物語の作品情報・感想・評価

「青べか物語」に投稿された感想・評価

この作品に残される海辺の風景とそこで繰り広げられる人々の生活や風俗…もうすでに失われ二度と戻らないそれらのものと、そこで生きる人々の生命力溢れる姿に目を奪われた。

一貫して傍観者を貫く森繁久彌さん演じる先生(行き詰まった小説家)は町の人たちに振り回されっぱなしで、ほとんど喋らないが、その分ナレーションでその時々のエピソードを語る。

名だたる名優が次々登場し面白おかしく他人を語る。
Twitterで青山真治監督が呟いていたので、DVD購入。この年代の邦画久々見た。『祭りの準備』のような田舎のわちゃわちゃ感のような映画。

学生のときだったらハマったんだろうなーという感じ。フランキー堺が千鳥のノブに激似。
ENDO

ENDOの感想・評価

4.2
Yeah!!!という豪快な東野英二郎の挨拶と共に青べか船を半ば強引に購入させられ始まる浦粕町(浦安)の悲喜交々!高度経済成長中の日本で沖の百万坪と呼ばれるほどの遠浅の干潟にいる海産物によって生計を立てる人々。普段とは打って変わって完全なる部外者である物憂げな森繁が逗留する。とにかく水平線を生かしたショットにスケールを感じる。曇天は彩度を均一にしその風景の美しく湛える。左卜全が生活する蒸気船が宵闇に沈んでいく光景だけで郷愁に駆られる。左幸子が馬乗りで森重を押さえつけるスピードは異常!彼女の振る舞いは画面を振動させまくって突き抜けそうだ。乞食娘の小さな魂。のぼりが"おっ立つ"かどうか?出歯亀と嘲笑しか娯楽がない浦粕の人々に揉みくちゃにされる森繁。だがいずれ遠くないうちに消えるであろうべか船の暮らしに現代人は寂しさを覚えずにはいられない。作家に逃避できる場所があった最期の時代であったのかも知れない。泪なくして橋は渡れない。失われた日本の原風景を捉えたこの時代この国でしか撮ることができないであろう傑作!
主人公は観客の案内役に過ぎない。とにかく羅列されるエピソードの面白さ。足の不自由な妻を献身的に世話する夫、身分違いの叶わぬ恋の思い出を語る老船長、狂言心中の女、妻と枕を交わせない男…。喧嘩、酒、ガハハ笑いの活発な楽しさ。そして勢いある横移動。これは傑作。

2018/04/10 (過去感想サルベージ)
大井町の武蔵野館で22年前に鑑賞。13年前に日本映画専門チャンネルで録画したのを久しぶりに引っ張り出して再見。

一つ一つのシーンが絵画を思わせるような、色彩と空気感。

また劇場で観たくなった。
未見の川島作品の中にまだこんなに面白いのがあったのか、、、、(毎日言っているが、、)
全体的な雰囲気はつげ義春のコミックの様だ。
大好きな左幸子が今作もとても具合がいい。
開発前の浦安の様子があらわになりおがめるとは貴重。
傑作だと思うのだが、、、
カズ

カズの感想・評価

3.0
記録用 川島雄三 乱調の美学
ちょっと乗れなかったなぁ
川島雄三特集@シネヌーヴォ

大好きな監督なのに、この特集にようやく2回目。まだ観てなかったこの作品、いやあ〜面白かった^_^

原作、山本周五郎。脚本、新藤兼人。

山本周五郎だから、てっきり時代劇だと思ってた^^;

現在の浦安あたりが、まだ埋め立て前で、貝や海苔を取っていた時代の話。たぶん1960年代。どこでロケしたかは分からないですが、風景が田舎過ぎて驚きます^_^ここらあたりに何十年後かにディズニーランドが立つのか、、。

そこに暮らす貧しいけどバイタリティ溢れる人々の群像劇。森繁久弥演じるくたびれた作家が川向う(東京)から橋を渡ってやって来たところから始まる。例によって彼のナレーションが心の声として、人々の暮らしを映し出す、、。

とにかく、みんなよく喋りよく笑う!セコイし意地汚くずる賢い。パワフルで、とにかく自由なのだ^_^底辺に暮らす人々なので、切ない話もあるけど、湿っぽくはならない。

クストリッツァなんかを思い出した。大げさでなく決して負けてない、、動物は出てこないけど、、笑。
@新文芸坐


埋め立てられる前の漁師町だったころの、今は失われた浦安の風景が味わい深い作品。騒がしい面々と対照的な森繁の佇まいが良い。外からやってきた作家という役柄もあるけど、どこか達観した眼差しで住人たちを見つめ、訥々としたナレーションが良い。

船や干潟の撮り方がとても良く、ロングショットで撮ったシーンなんかは印象的。

せっかくお嫁さんが来たにもかかわらず、謎の結界を張られ、結局初夜を迎えずに破局になったフランキー。東野英治郎や加藤武ら(笑い声が本当に、本当に煩くて楽しい)に、フランキーのフランキーがおっ勃たねぇからだと馬鹿にされるんだが、その後にお嫁に来た池内淳子とは見事に成功。その翌朝の演出が面白すぎる。
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