たまらん。たまらんなあ。人生だ。
エドワード・ヤンもずっと名前だけ耳にしながら作品を観れてなかった監督。大好物過ぎた。めっちゃ良い。
ヤンヤンの夏の想い出というよりも、ヤンヤン一家とその親戚や隣人の一夏の悲喜交々。
なんだろう、どことなく濱口竜介みを感じるのは、やはり濱口竜介がエドワード・ヤンから影響を受けているからなのか、それとも2人には共通する何かがあるのか。些細で、どこにでも転がってそうだけどでも、たしかに美しい日常の断片のまとまりから立ち上がってくる、ほの暗い何かとほの優しい何か。
群像劇を織り成す人物達が皆魅力的で素晴らしい上に、何よりそれを眼差しているあのヤンヤン役の少年を見つけ出したことが素晴らしい。麻生太郎から毒素抜いたみたいなNJもいい味出てたな〜。父親役があの役者さんというのが良いし、お母さんが「私には何も無い」と泣きじゃくる場面の演技も素晴らしかった。ティンティンも健気だけどあまりにも不憫で…それがまた愛おしい。肩に鳩を乗せたイッセー尾形の佇まいも秀逸だったし。
ヤンヤンを含めた登場人物達のことが愛おしくなっていくと同時に、なぜだか自分の人生も少しだけ肯定してやろうかという気がしてくる。
映画はこうであって欲しいと思える、そういう作品。