まつこ

ヤンヤン 夏の想い出のまつこのレビュー・感想・評価

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)
5.0
色んな人の人生に自分を重ね、いいことも悪いことも抱きしめて「今日もいい日だって思えたらいいなぁ」とぼんやり、じんわり、ホッコリする素敵な作品。

とにかくヤンヤンが可愛かった。もっとヤンヤンなのかと思ったらあんまりヤンヤンじゃなかったんだけど、最後にヤンヤンしてくれたのは良かったなぁ。

振り返ると「ああでもない」「こうでもない」と思ってしまうけど、それは昨日よりも今日の私がちょっとは前に進めているからなんだよな。反省はしても後悔はしたくない。お父さんの「人生をやり直すチャンスなんて必要ない。一度でいい。」って言葉が胸に響いた。

「先生も人間だ!」って言い訳するのすごい。そんなこと言ってるからあんなことになるんだよ…と思ったり。

同級生に当時30近い人と付き合っている子がいて(今思えば犯罪)あの頃は「大人だねぇー(๑˃̵ᴗ˂̵)」ってキャッキャ言ってたけど、実際自分がその年になると「そんな歳の子たぶらかす男とかないな…(´-`)」と思ってしまう。純愛もあるのかもしれませんが、純愛なら待ちなさいよと。そんな人たちはバレていないだけでたくさん今もいるんだろうな。

あなたに会うとあの時の私に戻ってしまうと感情を爆発させる彼女の切なさに胸が締め付けられた。「愛したのは君だけだ」と言われ夜にひとりで泣くシーンにはちょっとウルッとしてしまったよ。

膝にもたれながら少女が囁く。

この世の世知辛さ、夢の世界の美しさ。恋が夢物語じゃないのも、この世が善意の塊じゃないのもわかっている。それでも美しいと信じたい。歪でも、絶壁でも、私の後ろ姿ももしかしたら誰かにとっては絶景なのかもしれないから。

物事は複雑なようで複雑じゃない。ややこしくしているのはいつも自分自身。
まつこ

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