りんごチャン

ヤンヤン 夏の想い出のりんごチャンのレビュー・感想・評価

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)
3.9
ヤンヤン一家のひと夏の出来事。各世代における悟りが伝わってくるよう。

小学生のヤンヤンは無垢であるのに対し、姉や親の世代になるにつれ七面倒な感情やしがらみに直面せざるを得ない。意識が戻らないおばあちゃんに至っては、家族の吐露を受けとめる包容力さえ感じる。ラストのお葬式でヤンヤンが読んだ作文には、無垢だからこそ見える本質が鮮明に表れている。

細かな人物描写もさることながら、記憶に留まる映像美の山。特に父が昔の恋人と手を繋いで歩くシーンと娘ティンティンが恋人と手を繋いで歩くシーンを交互に見せるところは憂いが滲み出ていて実に素晴らしい。