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平成狸合戦ぽんぽこのKのレビュー・感想・評価

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)
4.3
小さい頃は良さがあまりわからなくて、記憶にも全く残っていなかったんだけど今見てみるとめっちゃくちゃ面白くて吃驚。脚本もかなり好み。ユーモラスでありながらペーソス。説教臭さと共にどこか他人行儀で楽天的。そのバランス感覚がエンタメとして最高。自然の安寧さ、日本の原風景の美しさ、アミニズムへの敬愛に溢れていてうっとりさせられると同時に、この日本よりも進んだ時代に生きている僕らにはもう享受することができない過去への憧れともしかしたら取り返しの付かない泥舟に乗っているかもしれないという不安を感じさせられ、なんとも皮肉の効いていること。文太のいう通り人間もつまるところタヌキなんだろう。思い当たる節だらけだが人はタヌキを化かさず同じ人を化かす。よほどタチが悪い。御伽噺や落語にありそうなお話がとても気持ちよかった。
順序が逆なのは承知の上だけど、ウェスアンダーソンのような細々とした絵作りに良い意味で話がそれていくのもたまらなかった。
犬ヶ島ってこの作品の影響受けてたりする!?遊び心たっぷりの演出がなんとも贅沢。
自然との共生のあり方を考えさせられる作品だけど、
ただ、ただやっぱり整備され"きちんとした"街に住むことが1番良いなー。ごめんねたぬきのみんな!!
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