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プロメテウスのGreenTのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
3.5
めちゃくちゃ高尚な哲学的なテーマかと思ったら、意外と単純というか、あんまりちゃんと考えられてないのかな?と思いました。

エリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)は信心深い考古学者で、人間を作った創造主=「神」を見つけることに情熱を捧げている。ボーイフレンド(旦那?)のチャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)も考古学者で、2人は一緒にスコットランドで新たな遺跡を発見し、その壁画に描かれる惑星郡が、過去に発見された壁画にも共通して描かれており、人間の創造主が未発見の惑星から来たエイリアンではないかと示唆される。

メソポタミアだの古代文明の名前とか出てきて、学校の授業を思い出しました。

この惑星への探索にウェイランド社という会社が出資する。なんの会社だかわかんないけど、そのCEOピーター・ウェイランドはプロジェクト開始前に亡くなっており、ホログラムでエリザベスとチャーリーを始めとする参加者を激励する。

で、参加者は2年間冬眠状態になってこの星へ行くんだけど、その間宇宙船を管理するアンドロイドのデヴィッドがマイケル・ファスベンダーなんですね〜!!

いや〜やっぱこの人いいわ。アンドロイド的な、瞬き一つしない無機質な感じでありながら、映画を見ながら人間に憧れる的なところもなんか可愛いし、それにこの人大真面目に演じているのにそこはかとなくユーモラスで笑ってしまう。お仕えするウェイランドのスリッパを完璧に揃えて「ササッ!」と出すところなんかもー爆笑した。

この映画自体はやたらシリアスで面白みがないので、マイケル・ファスベンダーがそれを救っていると思う!

これって『エイリアン』のフランチャイズなんですよね?どっちかって言うと『2001年宇宙の旅』の続きみたいに見える。デヴィッドが「身体があるハル9000」みたいな。それか、アンドロイドであるデヴィッドが「自分の創造主である人間は、要らなくなったら自分を捨てる」みたいな、『ブレード・ランナー』っぽい雰囲気もあり、『エイリアン』というより「SFの名作と言われいてる映画の寄せ集め」的な・・・。

映像はすごい良くて、最初の大地の映像とかいい感じで「観よう」って気にさせられる。CGは背景が合成だって分かっちゃう。別に気にはならないけど、この映画もう10年前なんだなあ〜って感慨深い。

謎の惑星に到着して探索し、エイリアンの頭を持ち帰って・・・とかって下りはなかなかミステリー満載で「この先どうなるのか?」と興味を持たされていい。

信心深いエリザベスが人間を作った創造主を探しているってのが面白いなあと思った。普通クリスチャンって、科学を信じないんじゃなかったっけ?エリザベスは自分の信仰を科学的に解明しようとしている。

タイトルがプロメテウスというギリシャ神話の神様の名前ってのも、クリスチャンと相反するよね?

あとはネタバレになると申し訳ないのでコメント欄で!

追記:『コヴェナント』を観た後、もう一度無性に『プロメテウス』のデヴィッドが観たくなったので再鑑賞しましたが、やっぱ面白い!ブルーレイの特典に、デヴィッド8モデルアンドロイドのCMみたいのがあるんだけど、ファスベンダーめっちゃ可愛い。これだけでブルーレイ買おうかと思った。

あと、暇だったから『エイリアンvs.プレデター』も観たんだけど、この話が『プロメテウス』にすげー似てる。リドリー・スコットは『エイリアンvs.プレデター』を「金儲けのためのバカげた映画」のように言っていたらしいけど、話パクッてない?ウェイランドが精鋭を集めた調査グループ(ブリーフィングのシーンなんてソックリ)、遺跡みたいなところに行く、「エンジニア」が「プレデター」みたいだし(マスクかぶってるし)、調査隊の中にブリティッシュのおとぼけキャラが入っているのも似ている。主人公の女性のお父さんが亡くなってる・・・。まあ脚本書いたのはリドリー・スコットじゃないからなんとも言えないけど、基本的なコンセプトは気に入ってるんじゃん!って思ったら笑えた。

でもなんか久々に、ってか、私SFをこんなに面白いって思ったことなかったかも。これと『コヴェナント』購入しちゃおっかな~。
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