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プロメテウスのshxtpieのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
2.5
『エイリアン』は(ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』とともに)オールタイムフェイヴァリットのひとつですが、その前日譚となる『プロメテウス』もなかなかどうしてすぐれたSFホラーです。プロットにはかなりの粗さがありますが、ひとまず終盤の“堕胎”のシークェンスに注目しましょう。『エイリアン』をすぐれたフェミニズム映画と観る者にとって、この“堕胎”のシークェンスは当然、フェミニズム的な意味を持ちます。つまり、『プロメテウス』は非常にグロテスクなかたちで、しかし力強く人工中絶とその権利について描いた映画である、とこのように観ることができるわけです。ここから終幕へ向けてのノオミ・ラパスの迫真の演技は、シガニー・ウィーバーに勝るとも劣らないすごみを見せつけています。驚異的です。これまでどうしようもない作品も多く撮ってきたリドリー・スコットですが、『 The Martian (オデッセイ) 』に続いて職人として素晴らしい腕をふるっています。もちろんすぐれたスタッフが多くいてこそ、なのでしょうが。
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