タキ

プロメテウスのタキのネタバレレビュー・内容・結末

プロメテウス(2012年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

見終わってからエイリアンの前日譚だと知る。「エイリアン」から30年ほど前、スペースジョッキーのエイリアンの起源、果ては地球人類の起源を求めて宇宙の旅にでるという途方もない物語だった。
1979年の「エイリアン」公開から33年も経つとアナログからデジタルに映像の世界の進歩もめざましく監督自身老齢となられて素晴らしいチャレンジだと思う。やりたいことの気概は充分感じたが、ストーリーが大味すぎる。登場人物が多すぎるのか人物設定に深みがなくどういう動機でウェイランド社の宇宙探査船プロメテウス号に乗り込んだのか曖昧な人ばかりでクルー間の交流もおざなりだし最後にエンジニアが生物兵器を拡散させるために地球に向かうのを阻止するためエンジニアの乗った宇宙船を船長とあとふたりのクルーがプロメテウスごと突っ込み撃墜するのだがそんな人類愛が深いひとたちだっただろうか…。そしてせっかくのシャーリーズ・セロンがいいとこなしで圧死して終わってしまった。逃げる方向…とみんな思ったと思うけどあんな間抜けなキャラクターだった???
特によくわからないのがナゾにポジティブな主人公のエリザベス・ショウ博士(ノオミ・ラパス)。かつてのリプリーの逞しさとはまったく違う種類の生命力の強さで狂気すら感じる。その理由は続編で明かされるのかもしれないが、科学と宗教がごちゃまぜになってる人と一緒の船に乗るのだけはゴメンだ。
アンドロイドのデイビッドの動きもよくわからない。自分の創造主であるウェイランドの命令は死を回避する方法を得るためにエンジニアと対面したいということであったが、どうしてそれ以上のこと(筒型の容器の中の黒い液体をホロウェイに黙って飲ませる)をしたのか。不妊症のエリザベスが異形の子を妊娠したのもどこまでが彼の計画であったのか。それも次回に持ち越されるのだろうか。
蛇型のエイリアンが口の中に突っ込む描写は1作目のリプリーを思い出す。リドリー・スコット監督ずいぶんこういうのがお好きなようで。
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