シュローダー

プロメテウスのシュローダーのレビュー・感想・評価

プロメテウス(2012年製作の映画)
4.3
映画としてはかなりガタガタなのは重々分かってはいるが、やっぱりこの映画はどこか嫌いにはなれない。何故か。一つは、マイケルファスベンダー演じるデヴィッドというキャラクターの魅力。即ち、人間という"神"に造られたが故に、自らも神になろうとするアンドロイドである。彼の存在が、この映画が語ろうとする物語に非常に深い厚みをもたらしている。それが二つ 非常にネガティブな物語だ。つまり、「我々を作った創造主は、"神"と呼んで崇めるものでも何でも無かった」という事であるが、これはそのまま人間を神とするデヴィッドの行動原理にも繋がっていく。つまり、「そもそも人間が人間である事が、忌むべき罪なのではないのか」という問いを発する事になる。この様な厭世的な人間嫌いの作風は如何にもリドリースコットの映画らしい部分であるし、それ故に調査員たちは揃いも揃ってアホな行動を繰り返すのだ。この映画のメッセージは「人間も、アンドロイドも、神も、みんなクソ野郎」という事だと勝手に解釈しているが、これはある意味で本当の事を言っている様に思う。総じて、僕としてはこのニヒリズム溢れる映画は嫌いにはなれない。マイケルファスベンダーのアイドル映画としても5億点。ゼノモーフ帝王切開シーンも最高でした。