horahuki

28週後...のhorahukiのレビュー・感想・評価

28週後...(2007年製作の映画)
3.9
全速力ゾンビ再び!
今度の敵はゾンビと軍隊。再び感染者だらけになったロンドンから脱出するためにゾンビだけじゃなく軍隊からも逃げまくるゾンビ映画。

『インフィニティウォー』と『フォールアウト』で不足気味だったレナー成分を充電できました!前に見たのが昔すぎてレナー出てること完全に忘れてましたよ。いきなり出てきてビックリ!そこで一気にテンション上がりました(*^^*)そんで、内容も面白かったです!

あらすじ…
パンデミック発生から28週が経過し、感染者が死滅したロンドンに、海外へ逃亡した者たちが続々と帰国。主人公である姉弟はロンドンで待っていた父親と無事に再会を果たすも母親がいない。目の前で感染者に襲われ、助けることができなかったと悔やむ父親だったが、実は…。

冒頭のアレは意見が分かれそうなところ。私的には夫は間違いなくクソだけど、夫の必死の制止も聞かずに勝手に危ないところに突っ込んで、いざヤバくなったら「助けろ!」という妻も自分勝手だと思う。どっちもどっち。

そんで今回も人間がゾンビに立ち向かうという作品ではなく、ゾンビという脅威を前に人間と人間が殺しあう映画になっている。感染の可能性があるからという理由だけで大量虐殺を命じるのは種の保存という意味では理性的な決断であり正解なわけです。でも、本作には前作にない要素として希望の象徴が出て来る。ここが本作の本質に繋がっていく。

描きたいものを真正面から描いていた前作と比べると続編であるというハンデもあってかスマートさには欠けるように思いますが、命の価値の違いを強調した本作は、獣性と人間性の対立を描いた前作とは違った方向性での人間性を深掘りし、獣性にまみれた世界の中で一筋の希望を未来へと繋ぐリレーをみているようで、その過程で露わになる人間としての美しさを描いたところが単体の作品としても『28日後』の続編としても本当に素晴らしいと思います。

そして、本作は人間の内面的な葛藤の暗喩でもあるように感じました。どれだけ獣性とその誘惑にまみれた中でも微かにだけど確かに存在する「人間性」を守り抜けるかどうか。そういったところが本作の描きたかったところのように思います。

そして、ラストは希望を感じさせる幕切れではありますが、事なかれ主義というか疑わしきは罰する方針の人間がこの先に待ち構えることを考えると、彼らの今後の運命は悲劇的なものとなる予感がしますね。今のところ続編はないですが、もし作るのなら次はこういったところを深掘りして欲しいな〜と思いました。もしかしたら、現人類の希望というより新たな価値観の台頭として深堀されるかもしれませんね。
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