幕のリア

オール・アバウト・マイ・マザーの幕のリアのレビュー・感想・評価

3.5
母性を描いた物語。
幾つになっても女性の事は全然わかってない。
力強い登場人物達に気圧されるしかなく、初見では人間模様の煌めきや澱を汲み取れず、語るべき言葉が見つからなかった。
決して完璧な女性になりきれないオカマちゃんが語る、軽薄だがユーモラスな真理だけは不思議と心に響く。

ペドロ・アルモドバル作品では、非常にベーシックなヒューマンドラマと感じるほど女同士の交流が清々しい。

息子が亡くなるまでの非現実的な色使いや映像の質感が堪らなく美しい。
映像を見てるだけで十分、情感を揺すぶられる音楽も相まって、アルモドバル節に酔いしれる事が出来た。

次、見る時はタイミングを図ってみたい。
病気で寝込んだ時なんかに見たら、無性に泣けそうな気がするが、どうだろう。

それにしても、三週間前とか、三ヶ月ごとか、アルモドバルはなぜこうもテロップ入れたがるの?
謎。
幕のリア

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