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シン・シティのkonoesakutaのレビュー・感想・評価

シン・シティ(2005年製作の映画)
3.5
モノクロに鮮やかな色彩を埋め込むと独特の世界が浮かび上がる。思い出すのはユーロサイバーパンクの雄「ニルヴァーナ」。あの映画のゲーム世界の中もモノクロに赤だった。いい演出だと思う。

そんなモノクロはゴア描写をうまく隠して作品をスタイリッシュに仕上げた、こともないか。手や足や首は簡単にとれる。犬さん(狼さん?)あたりでは多くの方がドン引きする。私みたいな物好きは大歓喜。

原作アニコメを忠実に再現したからなのか各ショットの構図はバツグン。しかしマンガだからこそのチープさは否めない。それも狙いだろうから楽しまなくてはと思う。実写感入りすぎて失敗したトンデモ映画なんてごまんとあるものね。

どんな女になら命をかけることができるのか。男たちはしびれるほど渋かっこいい。1人語りが見事にベイシンシティ(オールドシティ)の暗闇にマッチする。これにもしミステリ要素が絡めば世界初の「ゴアハードボイルド」というジャンルが確立したかもしれない。

それにしても豪華なメンバー。キャストだけでいくらかけたのか。1人1人の個性を見事に引き立たせる使い方も素晴らしい。2人プラス1の監督の手腕おそるべし。

魔太郎がいる。間違いない、あれは魔太郎だ。誰も魔太郎なんて知らないよね。