ポルりん

ウルトラセブンのポルりんのレビュー・感想・評価

ウルトラセブン(1968年製作の映画)
2.3
「ウルトラセブン」の第18話を劇場公開した作品。

あらすじ

ウルトラ警備隊による、月に一度の特別訓練が行われた。
スカイダイビングの訓練中、アマギとソガの消息が分からなくなる。
目覚めた2人がいる森は、吸血植物やダニ、大きな蜘蛛のような生物グモンガが生息する場所であった。
マナベ参謀は、その森がベル星人が作り出した、獲物を捕らえる「疑似空間」であると語った。



特別訓練がスカイダイビングのようだが、怪獣や宇宙人と戦うウルトラ警備隊なら、頻繁に訓練するべきなんじゃないか・・・。
「ウルトラシリーズ」の中では比較的戦闘機が撃墜してない方ではあるが、 それでもパイロットの安全を考えたら頻繁に訓練するべきだと思うのだが・・・。

まあ、そのスカイダイビング中にアマギとソガがベル星人が作る疑似空間に入ってしまう。
不気味な雰囲気の漂う森で目覚すアマギ。
色々な災難がありつつも大声で仲間を呼びながら歩いていると、

ソガ「助けてくれぇ!」

というソガの声が・・・。
声がする方に行くアマギだが、行ってみるとドラクエの毒沼に黄色を混ぜたようなヤバそうな沼でソガが溺れている。
溺れているソガから救出方法について文句を言われながらも、ソガを救出するアマギ。


アマギ「早くこの森を出よう!!」

ソガ「待て!その前に本部に連絡だ!!」


いやいや、本部に連絡してなかったんかい!(;゚Д゚)エエー
アマギに暗号じみたメッセージを書き記していたようだが、その前に本部への連絡が先じゃないのか・・・。

てか、ソガはこの森に来てから結構時間が経過していると思うが、本部に連絡しないで何をやっていたんだ・・・。
そもそも、何でソガはこんなヤバそうな沼に入ったんだ・・・。
誰が見てもこの沼に入ったら無事じゃ済まないと思うんだけど・・・。
アマギがソガを発見した時は何故か沼の中央辺りにいたが、絶望して入水自殺でもしようと思ったのだろうか・・・。


その頃、ウルトラ警備隊本部では原因を究明していた。

ダン「隊長、パラシュートが開かなかったというのは??」

キリヤマ「二人ともパラシュートが開かないとは考えられない。」

一人ならパラシュートが開かない可能性あるのかよ <#`∀´>
てか、皆アマギとソガが何故行方不明になった原因ばっかり考えて、誰一人安否を本気で心配していないように思える。
案の定、必死の思いで連絡をしたソガへの第一声が、

キリヤマ「大丈夫か!!」

ではなく、

キリヤマ「キリヤマだ!2人とも今までどこをうろついていたんだ!!2時間も空を散歩していたなんで言い訳は許さんぞ!!」

である。
普通はスカイダンビングの訓練中に行方不明になった部下がいたら、そこら辺をうろついているのではなく、何かしら異常事態があったと思うんじゃないか・・・。
それをキリヤマの謎めいた叱責を横で見ているダンとアンヌも笑っているし・・・。

そして、キリヤマ隊長が怒りながらソガに現在地を聞き出そうとするも、現在地は不明。
ただ、1つ分かっているのが自分たちは霧の掛かった森の中にいる事。
これを聞いたキリヤマ隊長は、


キリヤマ隊長「よし分かった、そこを動くなよ!!」


ダンとアンヌの前に歩いてくるキリヤマ隊長。


キリヤマ隊長「ダンとアンヌ隊員は、ウルトラホーク3号に乗って、霧の掛かった森を探す事!!」

ダン・アンヌ「了解!!」


すいません、キリヤマ隊長!!
日本全国に霧の掛かった森がいくつあると思っているんですか!!
日常的に部下に対して無茶苦茶な命令を多くしがちですが、幾らなんでも今回は無茶苦茶過ぎです!!
普通に宇宙ステーションがあったり、地球の8万倍の高密度で構成されている宇宙都市を簡単に破壊出来る技術化がある近未来なんだから、衛星カメラとかで何とかならないんですかね~・・・。


ナレーション「ホーク3号に乗ったダンとアンヌは目指す森を必死に探した。だが、霧のかかった森を発見することはできなかった」


ってないんかい!!!ヾ(゚д゚ll)ォィォィ


場所が変わってアマギとソガがいる疑似空間。


ソガ「まるで蜘蛛の巣にかかった虫じゃないか!!このまま食われるのをじっと待てというのか・・・。」


などと、ダークな会話をしながら「もぐもぐタイム」を過ごす2人だがアマギが空を見上げある事を気付く。
なんと、空一面を覆い尽くすように地球が浮いているのだ・・・。


ソガ「あれは、月・・・??」


いやいや、どこをどう見たら月に見えるんだよ ( ゚Д゚)ヴォケ!!


アマギ「月じゃない、地球だ!!」


と優しいツッコミを入れるアマギだが、もしも隣にいるのがアマギではなくプレバトでお馴染みの夏井先生だったら、


夏井先生「青々しい月があるなら持って来い!! ヽ(`Д´)ノプンプン」


と怒り狂うだろう・・・。


場所が変わってウルトラ警備隊本部。

アマギが自分のいる場所が地球ではないとキリヤマ隊長に連絡をするだが、キリヤマ隊長の後ろで聞いていたマナベ参謀が、


マナベ参謀「アマギとソガはベル星人が作った疑似空間の中にいる。」


と、僅かな情報だけで場所だけでなく犯人までも暴いてしまう。
事件現場に落ちている釘を見つけただけで巧妙なトリックを暴くコナンを彷彿とさせるマナベ参謀だが、その超推理のおかげでキリシマ隊長・ダン・アンヌはウルトラホーク1号で疑似空間に突入する。

擬似空間に降り立つキリヤマ隊長。
暫く捜索するとアマギとソガの悲鳴声が・・・。
急いで悲鳴声のする方に向うキリヤマ隊長達だが、なんと宇宙植物に巻かれ身動きの取れないアマギとソガに宇宙蜘蛛グモンガが襲い掛かって来ていたのだ。
毒ガスを吐くグモンガに後ずさりするキリヤマ隊長。
ここで勇猛果敢なダンが、


ダン「隊長、ここは僕に任せて下さい。」


と勇気ある発言をする。
普通は何秒か悩んでから、


キリヤマ隊長「分かった、だが無理はするなよ。アマギとソガを救出したら直ぐに助けに行くからな!!」


のような事を言うと思うのだが、空き地に正体不明の泡を見るや否や隊員に銃で撃てと命令する男。
ダンが発言し終わって0.2秒位で


キリヤマ隊長「よし!!」


と嬉しそうにアマギとソガの元に向う。
あんた人間としてどうかしてるよ・・・。

宇宙植物から楽々とアマギとソガをするキリヤマ隊長。
そしてダンに向って、


キリヤマ隊長「頼むぞ!!」


と言いホーク1号に逃げてしまう。
ホーク1号に辿り着き、消衰しきったアマギとソガを座席に座らせ、さあダンを助けに行くのかと思いきや何やら外で異変が・・・。
何と疑似空間も徐々に消えて行っているではないか!!
それを見るや否や、


キリヤマ隊長「脱出だ!!」


えぇーーーー!! Σ(゚д゚lll)ガーン
ダンを放置して逃げるの!!! Σ(`Д´ )マヂデスカ!?
そりゃないぜ、隊長さんよーーー!!
ダンが身を挺したからこそアマギとソガを救出出来た訳だし、何よりダンがいなかったらあのままグモンガに毒殺されていたかもしれないんだぜ・・・。


アンヌ「隊長、ダンがまだです!!探してきます!!」


おーー、そういえば外道の隣に一人まともな人がいたっけ。


アマギ「危ない、もう間に合わん!!」

キリヤマ隊長「位置に付け!!」

ソガ「はい!!」


酷い、酷過ぎるぜ!!<#`Д´>
1万歩譲って外道キリヤマ隊長は分らない事もないが、救出されたアマギとソガはダンに助けて貰った恩を何も感じないのか!!
てめえらの血はなに色だーっ!!ヽ(`Д´)ノプンプン

今回のウルトラ警備隊は元よりキリヤマ隊長がダンに対して行った行為は非道としかとれないのだが、それは何も今回だけではない。

とある話では、ダンとキリヤマ隊長が宇宙を航行中に計器に異常が発生したのを、


キリヤマ隊長「ダン!お前、まさか・・・。」


とダンを思いっきりを疑う。
そのせいかは分からないが、ダンが月に残っているのにほっといて地球に帰還しようとする非道な行動を取る。
個人的にはザンパ星人を皆殺しにした話を満面の笑みではなし、その後に宇宙を航行中にも関わらず、船内でタバコをプカプカ吸っているキリヤマ隊長の方が問題あると思うのだが・・・。

また、違う話では外気温零下120度の中でダンが乗る車がエンストしキリヤマ隊長に救援を求めるも、


キリヤマ隊長「ポインター(車)を捨てて歩いて基地まで帰って来い!」


という非情としか思えない命令であった。

いやいや、キリヤマ隊長・・・。
零下120度だぜ!!( ̄Д ̄ )
防寒具があるならまだしも、ダンが着用している服は普通の隊員服だぜ!!Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ
あんたほとんど死ねに等しいこと言ってるよ!!(# ゚Д゚)

これ以外にもダンは何もしていないのに、ビラ星人に操られている地位の高い博士の話を信じ、ダンを独房に入れるという非情な行動をとっている。
もちろんダンの話など一切聞かない。

これでも充分過ぎるほど酷いのだが、更に酷いのが責任を取らない所かダンに対して一切の謝罪をせず、うやむやに流そうとしている点だ。

会社に勤めていた時から感じていたが、最近己が原因で起こした不祥事でも、何とか他の人に責任をなすりつけようとする人が多いように思える。
まあ、そういう人が出世しやすいのが今の世の中なんだろうが本当にこれでいいのだろうか・・・。
このままだと衰退の一途を辿るだけだと思うのだが・・・。


かなり話が脱線してしまったが、ダンをほっといて飛び立つホーク1号。
疑似空間を脱出したのを確認すると、安心したのかキリヤマ隊長が、


キリヤマ隊長「神なき知恵は、知恵ある悪魔をつくることなり。どんな優れた科学力を持っていても、奴は悪魔でしかないんだ!( ̄^ ̄) ドヤッ!」


とドヤ顔で隊員たちに語るのだが、バド星人って言うほど悪魔じみた事したかな??
そもそも劇中を観る限りではバド星人が一体何をしたいかも謎だし、他の地球に侵略しに来た宇宙人と比べても全然被害がないように思えるのだが・・・。

キリヤマ隊長、あなたのような人を悪魔と言うんじゃないですかね?

怪獣を見るや否や、怪獣が何を目的として行動しているかを分析や確認もせずに集中砲火を浴びせるし、ザンパ星人やノンマルトを根絶やしにして高笑いしてるし・・・。
そこらの悪魔よりよっぽど悪魔だと思うのだが・・・。
その後、ダンが無事だと分かると否や


キリヤマ隊長「無事だったのか!良かった、良かった!」

と言う。


はぁ??
こいつダンを真っ先に見捨てて逃亡した奴が何言ってんの??
「機動戦士Zガンダム」のカミーユ・ビダンがダンの立場だったら、


カミーユ「お前のような奴はクズだ、生きてちゃいけない奴なんだ!」


と言いながらZガンダムに乗って斬り殺しに掛かって来るぞ!( ゚Д゚)<氏ね!
てか、ダンもそろそろ我慢しないで、キリヤマ隊長をパワハラで訴えた方がいいんじゃないか・・・。
余裕で勝訴すると思うけど・・・。


ウルトラセブンは「ダーク・ゾーン」、「狙われた街」、「超兵器R1号」、「ノンマルトの使者」、「第四惑星の悪夢」など非常に考えさせられる話が多く特撮の中でもトップクラスに好きな作品なのだが、残念ながら本作は特に考えさせられる話でもなく、印象に残る事もない話であった。
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