甘味

台風クラブの甘味のレビュー・感想・評価

台風クラブ(1985年製作の映画)
4.5
ヤバい傑作過ぎる…。思春期のリビドー、それは狂気。こんなパワフルで勢いのある青春映画見たことない。

思春期真っ只中の多感な中学生達。鬱屈とした日々の生活を送る中、常に心のどこかで非日常的な事件が起こるのを待ち望んでいる。
恋心を上手く処理できず、いざ好きな相手を前にした時にとってしまう歪んだ行動。
恐らくは興味本意から始まったのであろう、女同士の性的関係。
汚れた大人の生々しい現実を目にした時の将来に対する絶望。

そこへやってきた台風。
彼らが期待していた、非日常。

台風をきっかけに心の箍が外れ、普段抑え込んでいたモヤモヤが形になって雪崩のように溢れ出す。未熟な彼らの衝動は次第に狂気へと変わる。

何て言うか、火を吹く豪速球みたいな映画だった。まともに食らって胸にめり込んだままなかなか取れず困ってます。
ショッキングな内容をあえて淡々と見せる事で生まれる静と動。全編に渡って放たれる静かな迫力。うーん、痺れた。ベルトルッチ監督が本作に創作意欲を掻き立てられたって言ってたらしいけど、お世辞じゃないよきっと。

あまりの素晴らしさに相米作品コンプしたい欲が沸々。遺作の風花がう~んって感じだったからあまり手を出さずに来ちゃったけど、本作で監督の持つ死生観、映画に込める力に圧倒され、完全に打ちのめされてしまった。
とりあえずこの勢いで次は80年代邦画フェス始めちゃおうかな。こりゃ当分洋画に戻れそうにないわ…