ゆめのカルチャー教室

台風クラブのゆめのカルチャー教室のネタバレレビュー・内容・結末

台風クラブ(1985年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

以前見た時は何が面白いのかさっぱり分からなかったけど、自分もいい歳になって、思春期の男女の危うさを観察する作品としての面白さは見出せた。そんなに演技の素養がなさそうな子達がある瞬間だけものすごく上手く見える。つまり本気になっている。それ含めとても良かった。

特に三上という少年はこの作品の象徴のような存在で印象深かった(酔っ払って使い物にならない先生から電話越しに「お前も15年後には俺らと同じだ」と言われた時、繊細に傷つきそれ故に反発する、謎の解に辿り着き犬神家さながらに死にに行く、しかし暴行寸前の怖い思いをしたクラスメイトには上着を貸してあげるのが精一杯で、「もう許してるよ」と無神経に言ってしまう)

ただ男子が未遂だが暴行をはたらき、それがしっかりと指摘されず、ケロッと終わっていく流れは私の中のアグネスが反応して苦手な部分ではあった。大人になり、そう言ったものが苦しみとして形成されていく余計に生きづらくなる、子どもの方がそういう部分を飲み込み強く生きている、みたいな見方も出来て納得は出来るのだけど、それを思っている私も大人だし…という。

後同じ絵面が十数秒続いたりすると冗長と感じてしまい、自分も例に漏れず現代人のショート動画脳になっているなぁと再認識した。