ジョン

台風クラブのジョンのレビュー・感想・評価

台風クラブ(1985年製作の映画)
4.7
この作品のことは気になっていたけど、なんとなくただの爽やかな青春映画やと思って避けてた。でもそれは勘違いで、"変な"青春映画やった。

まず、シンプルに面白い。日常のシーンから台風の日に向けてのボルテージが上がっていく感じが堪らんし、随所にユーモアが溢れてる。
それから狂気的。「ただいま」「おかえりなさい」を繰り返すある少年がいて、最初はギャグと思って観ていたら、後々恐ろしいことになる。あの数分間は驚異的。その後の全員で裸で踊るシーンとかも結構ヤバい。この監督、ちょっと危険。

そして、哲学的ラスト。ラストまでは共感というか、映画の中に入り込んだような気持ちで観てたけど、一気に突き放された。いい意味で冷めた。良かった。あれが無かったら映画から出てこれなかったかもしれん。

青春映画を観ると毎度胸をえぐられるけど、いつもとは違う角度で違う道具でえぐられたような感覚。甘酸っぱいけど、食べたことのない味。好きやけど、もう観たくないし、この映画に出会ってしまたことを後悔してる。罪な作品だ...。

Youtubeに上がってるミツメというバンドの「Disco」って曲とこの映画の映像を合わせた動画が最高やから、是非このレビュー読んだ人は見てほしいな。
ジョン

ジョン