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台風クラブのnamieのレビュー・感想・評価

台風クラブ(1985年製作の映画)
4.4
冒頭のプールや教師の態度、漂っている雰囲気がまだコンプラや映像倫理の概念が無く、これほどに奔放で自由な日本があったのだとどこか異国の情緒を感じてしまう。(もちろん映画の中は倫理を超越する領域だが)
作中で描かれる中学生達の、思春期特有の不合理的で不条理で、脆く、反大勢ながらもどこか本能的で、動物的な、鬱屈した生の情動が、自らの手が届き得ない大自然の荘厳さに触れた瞬間の爆発的な輝きに圧倒され、一気に魅入られる。
なんとなくな理解度で性に触れ、でも怖くなって、味も分からないのにつるんでる仲間とタバコを吸って… 人は何故生きるのかを考えながら日々を誤魔化していた中学の記憶…。呪術廻戦の東堂戦かの如く存在しない青春の中学生生活が脳内に走馬灯の如く流れ込んできます。
そして最後は哲学的スケキヨフィニッシュ。足動いてたし三上くんは生きてて欲しいな。ほんで生きながらえてとんでもなく真っ当な人生を送りそう。
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