スカラムーシュ

台風クラブのスカラムーシュのレビュー・感想・評価

台風クラブ(1985年製作の映画)
4.9
陰鬱 低気圧 発生

狂乱 思春期 爆発


日頃からやり場のない苛立ちや悩みを抱えながら、平凡な生活を送っていた中学生たちが、台風の接近とともに言いようのない感情の高ぶりを見せ、騒乱状態に陥る姿を描いた青春映画の傑作、、、



・感想

初めて観たときはあまりに衝撃が走り、参ってしまったのを覚えている。

圧倒的な何かに踏み潰され、吹き飛ばされてしまうような感覚。

台風の勢力と思春期の不安感が重なり、やがて踊狂の集団と化す。

大人に対する不信感。
思春期特有の悩みや秘密。

家にいない母親の布団にくるまり悶え、家出する女子生徒。

好きな子に対するアプローチが分からず、攻撃的になる男子生徒。

家庭環境のせいなのか
思春期のせいなのか
はたまた台風のせいなのか

内面にグサグサ刺さる内容にやられてしまった。



・特徴的な撮影

人によっては冗長や退屈と感じてしまうのかもしれない、遠目からの撮影と長回しのカメラワークも、計算されたカメラ位置や俳優の演技を引き出すことの効果によって、個人的には秀逸に感じられた。



・好きなシーン

BARBEE BOYSの
「暗闇でDANCE」で始まる冒頭。

台風の中「翔んでみせろ」で踊り狂う教室のシーン。

P.J & COOL RUNNINGSの「CHILDREN OF THE WORLD」
で踊り狂う、体育館のシーン。

下着姿で「もしも明日…」で踊り狂う、土砂降りのシーン。

「シャイニング」や「犬神家の一族」のオマージュシーン。

謎の二人組がオカリナを吹く、意味の分からないシーン。



・印象に残るセリフ

哲学的な
"個は死を超越できるだろうか"
"死は個の種に対する勝利なのだろうか"という問い。


男子生徒の
"ただいま、おかえり" の繰り返し。


先生に対して
"帰ろうと思っても足が動かないんです"
"僕は絶対にあなたにならない"
という宣言。


謎の二人組の
"オカリナは朝吹くものなんです"という謎のセリフ。


終盤の
"死は生に先行するんだ"
"死は生きることの前提なんだ"
"厳粛に生きるための、厳粛な死が与えられていない"
という彼なりの答え。



・最後に一言

どうでもいいけど、子供のころカミナリが鳴るとみんな怖がっていたけど、自分はなぜかテンション上がっていたのを思い出した。