同じ旋律を同じテンポで繰り返す。この日常感が心地いい。
でも音はときに小さくなり大きくなり、それはまるで妻が出て行き初めて父となったテッドの心拍音のよう。
常に遠くから父息子を優しく見守ってるようなカメラワーク。
ひやひやとほっこりが繰り返され、どうしたって父に感情移入するようにできてるけど、クレイマーvsクレイマーと言えども誰も悪くなんてない。
確かに母の行動は自分勝手だったかもしれない。
でも母であり妻であるという枠の中だけで生きる息苦しさ、虚無感の中で誇れない自分を息子に見せたくなかった気持ちもよくわかる。
それでも息子が一番大切だと、母は離れて、父は近づいて、改めてわかる。
フレンチトーストがふっくらと焼けるようになるのと同じ。
あとは時間と共に、3人の新しい関係を築いていけばいい。
あの両親ならきっとそれができるはず。