共感地獄。これ見て泣かない父親がいるのか。いやいない。
偶然にも、自分自身ちょうど同じ年頃の子どもを持つ子育て期にあり、この映画を見るタイミングとしてこれ以上なかったと思う。
父と子との関係性、妻との関係性、自分と重ねすぎて嗚咽。主演のダスティン・ホフマンが、当時実生活でも離婚に向かっていたということもあり、リアリティがエグすぎます。
記憶に残る名シーンの雨あられ。これはたぶん生涯ベスト級。
もちろん、現代の感覚で見れば、まだまだ相当男性目線に寄った作品であることもたしか。妻側の苦しみや葛藤はほとんど描かれず、ただのメンヘラ妻的な扱いに見えなくもない。喫茶店の中から妻が父子ふたりの様子をみつめている様は、ホラーそのものだし。
それでも、妻を演じたメリル・ストリープ自身が、元の脚本から要所をかなり改変させたらしく、そのおかげでギリギリのバランスを保てた模様。さすが40年前からメリル・ストリープはメリル・ストリープしてたんだなあと。