sachikonakamoto

カラー・オブ・ハートのsachikonakamotoのレビュー・感想・評価

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)
4.0
雨が降ることはなくいつでも快適22度、帰宅すれば優しい妻が夕飯を用意して待っている、人々は台本に沿って決められた仕事・動作のみ繰り返す
名の通り都合の良いことしか起こらない50年代モノクロドラマの街「プレザントヴィル」の様子がなかなかサイコ……ダイナーの店主が「いつもは君がナプキンを配る間に僕がホニャララ」と言いながら塗装が禿げるまでテーブルを拭き続けてるの、トラウマになるかと思った……

街の人たちが"pleasant"以外の感情を知ったとき世界が少しずつ色付くのだけど、人によってタイミングが異なるのが面白い。怒ったとき、セックスしたとき、本を読んだときetc…
没個性だった街が華やかに色付いていく様は楽しく、また変化を恐れる保守的な人間もきちんと描かれているのがグッド
パパがカラーになるシーンで、トビーマグワイアが「家事をする人がいなくなったからじゃなく、大切な何かが欠けたから辛いんだ」という切り口で諭すのに代表されると思うが、現代への示唆的な描写も多く20年前(!)の映像でも色褪せない出来で面白かったな

MTVギャルかつヤリマンだった妹が「生まれて初めて本を1冊読みきった」みたいなことを抜かしたあとカラーになるの、さすがに未知との遭遇レベルが低すぎて笑ってしまった

総括すると「ポールウォーカーは白黒でもツラが良い」です
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