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太陽に灼かれてのkalitanのレビュー・感想・評価

太陽に灼かれて(1994年製作の映画)
3.9
第二部『戦火のナージャ』が良かったので第一部のこちらへ来た。
『戦火のナージャ』はシビアな前線のシーンもある戦争映画なのだけど、
こちらは優雅な保養地暮らしを楽しむ大家族の暮らし。スターリン大粛清の恐ろしさが半ば隠された主軸で、恋愛と夫婦愛と親子愛と子供のいる賑やかな暮らしが描かれる。のどかで楽しい中にスターリン主義の闇が挟まれているのが不気味で怖い。

ところでミーチャは従者がフランス語で話すと「ロシア語で話せ」と注意する。フランス語は上流階級の共通語だったから「革命的でない」というわけなんだろう。老いた従者はロシア語がきちんと話せないほどフランス語中心に生きてきたらしい。

一方、コトフは一緒に暮らす人全員がおそらくフランス語が話せるのに、彼だけが話せない。多分裕福でない出自なんだろう。

そういう日本人が知らない情報がいくつも隠れてるんだろうな、この映画。
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