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マイ・ボディガードのnagarebosiのレビュー・感想・評価

マイ・ボディガード(2004年製作の映画)
4.5
久しぶりに観ました。やはりこれと「クリムゾンタイド」がトニースコットのベスト作品かなと。
そもそも復讐劇は「アジョシ」や「レオン」等、数多ありますがストーリーが一直線に突き進み主人公は皆、怒りを内に秘めているので寡黙なんですよね、これがいいんですよ。主人公と被害にあう女の子の絆をひじょうに丁寧に描いて上手なんです。ほんの少しだけ自然な会話をした日の寝る前にベッドの周りを熊のヌイグルミを抱きしめながらグルグル回る女の子のシーンとかは、ああ、そうそう、と思ってしまいました。
そして怒りを爆発させたときの破壊力の凄まじさたるや、もう、って感じです。
映像派と云われる監督だけあってオープニングから飛ばしまくりです。古い手動式のカメラを随所に使いカクカクしながらもキャラクターやそのシーンの意味を伝えるショットの上手さや、照明の色や明暗の使い方、主役の前半の堅苦しい感じから徐々にカジュアルに変わる衣装、前半と後半でリズムを変える編集等、いいんですよね。ロケ地もメキシコでかなり苦労したようですが、あの感じは「シティオブゴッド」と「トラフィック」「ボーダーライン」ぐらい見事に活写されてます。街自体が生き生きとしてるんですよ。
しかしクリストファーウォーケンが、また渋いんだあ。軽く会話したときのさり気無いウインクとか。ほんとこういうアクの強い役者さんが好きなんだなあ、とつくずく思いました。