最後まで実にシリーズらしく、そして最終作の感も随所にある、そんな雰囲気だった。
金田一耕助の弟子というか、後を継ぐようなキャラクター(草刈正雄が演じてた)が出てきたり、冒頭で出てくる「誰だこの棒読みの爺さんは?あ、横溝正史先生!」的なスペシャル感もありつつ、お馴染みの喰い気味畳み掛ける会話、走る金田一、長めに映される何らかの演目シーン(これまでのシリーズだと伝統芸能的なもの、本作では初めてジャズバンドと英語の歌)もあった。
本作は、シリーズでよく出ていた戦争によって影響を受けたアレコレという方よりも、寧ろ家族・家父長制の犠牲になった人々的な側面が強い。『女王蜂』がこれに近かったかな。
金田一耕助はいつも事件止められなくて「すみません」って言ってるけど、よく考えたらそうそう止められるものでもないよね、やる気に満ちた犯人。
面白いシリーズだった。石坂浩二好きになった。