東朴幕院

病院坂の首縊りの家の東朴幕院のレビュー・感想・評価

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)
4.0
角川+市川崑+石坂浩二による金田一耕助シリーズ5作目にして最終作。オープニングとクロージングはスコアに入れず。
戦後間も無く病院坂の古い屋敷で起きる生首風鈴事件を描く。複雑な血縁関係が本作では過去作を越えてより複雑化している。
本作の見所は何と言っても佐久間良子と桜田淳子。佐久間良子の美しい着物姿に所作。流石、大物女優だ。桜田淳子も頑張って演技して及第点を大きく越える出来であったと。
法眼弥生が山内冬子の訪問の理由を知った時も動揺、悔恨には涙を誘うものだ。萩尾みどりって横溝作品では、こんな薄幸な役柄ばかりだ。
合間に挿入する竹林が風に揺れるシーンを挿入したりして場面変更を行っているが、これがまた上品で美しい。洋画にはまず無い表現だろう。
全体的にスコアが低めになっているが、個人的にはシリーズ最終作の大円団に相応しい出来だったと思う。
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