Godfather

東京日和のGodfatherのレビュー・感想・評価

東京日和(1997年製作の映画)
4.0
竹中直人が荒木経惟・陽子夫妻をモデルに映画した作品だが、どこまで実際のアラーキー夫妻に忠実なのかは知らない。
当時はけっこう酷評されてたように思うけど、これは2度も観に行った記憶があるので、自分的にはしっくりきたのだろう。

90年代当時の東京が描かれてるのが懐かしいという人が多いようだけど、90年代の東京をよく知らないので何とも言えない。改装前の東京駅が地味でいいなと思うくらいか。それよりもいまは名前の変わった西鉄福岡駅や、JR九州の鈍行列車の車両のほうが懐かしかったり。
陽子の職場のオフィスのデスクにPCがなく、紙と電卓で仕事してるのも時代を感じる。そして陽子(中山美穂)がスペイン語を話すのもいい。

大貫妙子・坂本龍一のサントラもいい。無駄な音を全部削ぎ落とした、雑味のない音楽が心地よい。
日本映画にここまでの質のいい音楽演出はなかなか望めない。

陽子は不思議ちゃんというかとらえどころのないキャラで、それが魅力的でもあり、中山美穂のちょっと不自然な台詞回しともうまくあってる感じ。中山美穂主演作のなかでも一番役になりきってると思う。
岩井俊二の「Love Letter」、そしてこの「東京日和」ときて、俳優としての中山美穂もいいじゃないかと思ったのだけど、この後10年以上もの長いブランクに入ってしまう。それがもったいないとは思う。
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