かーな

オアシスのかーなのネタバレレビュー・内容・結末

オアシス(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

冬、ジョンドゥは出所して家族の元に帰ろうとする。しかし家族は引越しており、電話も繋がらない。
出所して最初に食べるのは豆腐。
豆腐一丁をそのまま手に乗せて食べる。食べ合わせは良くなさそうだがお店のおじさん(?)が牛乳をくれる。

前科3犯の彼を家族は歓迎していない。
彼の急な言動や常に体を揺らしている様子は、なにか障害があるのでは、と感じさせる。

ひき逃げした(実際には兄の罪をかぶった)相手の家に謝罪に行くと、その娘・コンジュは脳性麻痺で体が思うように動かせない。

彼女を気に入り、行為に及ぼうとするが拒否される場面は、特に女性からすれば見るに堪えない。

こんな出会い方をした2人が次第に惹かれあっていく。
本当に麻痺を負った人が演じているのかというくらいにリアルな演技をするムン・ソリがすごい。

家族から邪険にされる2人が姫、将軍と呼び合い2人だけの世界を作っていく様子が切なくも美しい。
妄想の中では自分の足で立ちジョンドゥと嬉しそうに触れ合うコンジュが可愛らしい。

終盤の展開、障害者の性に関して問題にされることを時おり目にするが、健常者側からはなかなか本当に理解することが難しい…
ただ愛し合うだけ、それだけでも困難が立ちはだかる。
ラスト、ジョンドゥは彼女のオアシスを守るために木の枝を切り、影で怯えずにすむようにしてあげる。
刑務所に入った彼からの手紙を読むコンジュ。その手紙には愛しい姫と書かれているのだった。
光が差し込む細かな埃の舞う部屋の中で、彼女は今日も生きている。
かーな

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