このレビューはネタバレを含みます
自分のFilmarksの鑑賞記録100本目は前々からみようと思っていたけど機会を失っていたこの作品にしました。
以前、TSUTAYAで購入した『シネマハンドブック2016』によると、2000年代の公開映画ランキング第2位に輝いた映画だそうです。因みに、第3位は『ダークナイト』でした。
だから、事前の高い期待を持って観たんですけど、本当にすみません。
自分には期待外れでした。
今作を一言で言うと[社会的弱者達のボーイ・ミーツ・ガール映画]ですね。
誰が言ったか知らないですが、いわば''セカイ系"の映画です。(主人公達以外は別にいなくても良い、主人公達だけでこの世界は成り立ってるんだ)的な映画です。
この時点で自分には合いませんでした。
まず、いい点を挙げていきます。
この映画は、主演2人、ジョンドゥ役のソル・ギョングとコンジュ役ムン・ソリの演技のうまさ。これは本当に凄いです。
その他、光の演出だったり、コンジュの空想を交えて、現実を悲しく感じさせる所なんかは好きです。
ただそれ以上に看過できない、嫌いな点があります。コンジュの脳の障害のレベルがイマイチ分かりづらかった点もありますが、何よりジョンドゥに同情出来ません。
前科が3犯(正確には2犯)もあって、明らかに善人とは思えません。
馬鹿な人間なりの心の純粋さみたいなものがあったとしても、自分のやりたい事があったらストップが効かないだけなんです。だから、暴行を犯した後も強姦未遂を犯している訳で。しかも劇中でもコンジュをレイプしようとしてる時点で進歩が見られません。
あんな結末になる前に、もっと早く精神病院的な施設に入れる事は出来なかったのでしょうか?
コンジュの家族も、行政の調査の目を欺いていたり、悪い側面を描かれていますが、家族を事故で亡くしている訳ですからね。生活が苦しくなっても仕方ないと、そっちに同情してしまいます。
あと韓国の警察も、交通事故の犯人すり替えを許したり、警察署内でジョンドゥを逃がしたり、はっきり言ってザルすぎます。
社会人として日々働いてると、映画を観る上で、「弱者の目線」でも観ますが、社会に迷惑かけてないかとかの「労働者の目線」でも観るようになってきました。
だから、コンジュの家族やジョンドゥの家族、事件の被害者等の視点でも観てしまいました。
その点が今回は自分にはマイナスに働いたと思います。