コーディー

オアシスのコーディーのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
4.4
先週の『ペパーミント・キャンディー』に続き、リマスター版観てきました。初見です!
それにしても観終わった後の途轍もない疲労感はあんま記憶にないレベルw

重度の脳性麻痺を患い表情や言葉で感情を表現するのが困難なコンジュ、不自由な伝達に蓋をし関心のない人々。そんな彼女の心に時間をかけ関わろうとしたのは前科持ちジョンドゥ。始まりは愚かな介入であり断じて許されるものではないが見えないを見ようとし魔法をかけたのは彼だけ。

短絡的な彼の身勝手さにも軽い発達障碍が窺えるけど愚かの中に紛れた〝可愛い〟という言葉。今まで決して心に触れてもらえず置物のように扱われてきたコンジュにとって潤いをもたらす光。それが愛かどうか定かでなくとも二人の見る世界が合致した喜びは孤独を払い幻想を見せてくれる。

まあ極端な二極化はやや型にハメ過ぎな気もするけどサラリと普通という残酷を振りかざす固められた認識や聞く耳を持たないなど概念を覆すことの難しさ、自分もどこか身につまされる部分があるから疲弊したのかな。それらを凝縮した終盤のあるシーン、制約ある中でのムン・ソリの感情爆発、渾身の演技に息もできなかった。

今年はバーニングに始まり、先週の『ペパーミント・キャンディー』と『オアシス』でイ・チャンドンの容赦ないけど美しい映画を一気に観れて最高でした。ますます韓国映画を好きになった。