こしあん

オアシスのこしあんのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
4.7
ガツンガツンと心を殴られ、しばらくふるえた後、あたたかい光でやさしく包まれた気分。

人を愛するということは、その人の不安や恐怖を取り除き、安心感を与えて笑顔にすること。
シンプルで大切なことを、〝姫〟と〝将軍〟が教えてくれました。

誰にもちゃんと向き合ってもらえず、話を聞いてもらえず、誤解され、疎まれ、蔑まれていた二人。家族でさえも、彼らを邪険に扱うどころか、平気で利用している。

そんな砂漠を生きる二人にとって、お互いの存在が「オアシス」。

何の色眼鏡で見ることもなく、すべてをとっぱらったただの一人の人間として向き合い、同じ時を過ごしていた。ただそれだけなのに……
苦しくてもどかしくて、終盤は泣きっぱなしでした😭
ふいに入ってくる幻想的なシーンがせつなくてせつなくて……

とにかく、二人の演技が素晴らしい!!!
ホント、韓国映画すごいわぁ。なかなかのタブーに切り込み、重いテーマをこの完成度で描き切る。
序盤は「いやいや、これ大丈夫なのかしら?」とソワソワしちゃったけど、それこそ、私自身が色眼鏡で見てたんだなぁと突き付けられる。

邦画にありがちな、感動のゴリ押しやキレイゴトのオンパレードじゃないところがとてもいい。
期待を余裕でガッツリ上回る、ものすごい作品でした。アッパレでございます。

「君に魔法を見せよう」とか言って、東京タワーのライトアップが消える瞬間に指なんか鳴らしてる場合じゃありません。
魔法とは、愛とは、そんなことではありません🙅‍♀️
こしあん

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