垂直落下式サミング

13日の金曜日PART3の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

13日の金曜日PART3(1982年製作の映画)
4.0
前作の惨劇をおこしたジェイソンは、手痛い深傷を負いながらも逃げ延びて、キャンプ場の納屋で隠れ潜んでいた。そして、再びキャンプにきた若者を惨殺してゆく。人気ホラーシリーズの第三作目。
この作品で、トレードマークとなるホッケーマスクを手に入れる。ホッケーマスクを被った大男という「ジェイソン」の一般的なヴィジュアルイメージが確立されるのが本作だ。コンプレックスの奇形の顔が隠せればなんでもいいらしいが、本作でおふざけ要員の男の子から奪ったものが気に入ったらしい。
本作は、3D映画として劇場公開されているため、カメラへ物が向かってくる演出が多用されている。鉈やボウガンなどの武器はもちろん、蛇がシャーッとしたり、野球のバットから何から、なにかと無駄にこっちに向かってくる。映画のタイトルも結構飛び出し演出を意識しているが、奥行きと言うよりは「手前に飛び出す」ただそれだけなので、『アバター』以後の世界に生きている我々の目には幾分芸がなく見えてしまう。
前作同様、キャンプに来た若者を意味も無くマニュアル的に殺していくわけだが、殺し方が多少コミカルになっていて、こちら感じる罪悪感は薄まっている。リア充はさっさと死んでいいけど、ポッチャリ系の子は彼女と両思いな感じなのにかわいそう。
驚いたのは、ハンモックの上で殺される女性がゴジラの25周年を特集した雑誌のページを開いていること。我が国のポップカルチャーの最盛期をみた。