おらんだ

百万円と苦虫女のおらんだのレビュー・感想・評価

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)
4.1
突然、周りとの関係を全て断ち切って不意に姿を消してしまいたくなる。周りとの人間関係に疲れ、デリカシーの無さに辟易し、無意味なメッセージの交換に馬鹿馬鹿しくなる。だから、全て投げ出してしまいたくなるのだけれど、一人ぼっちにはなりたくないとかいうジレンマ。

鈴子はひょんな事から前科持ちに。それ以来、周りの目や家族すらも疎ましく感じてしまい、貯金残高が100万円になれば引っ越すという流浪の生活を続ける事になる。

人との距離感って難しいなというのが観終わってのざっくりとした感想。いくら厭世的に過ごしても、人との繋がりをゼロにする事なんか出来ないわけで。デリカシーの無い人たちとも当然付き合わなきゃいけない。そんな人間達との関係をズバズバと切り捨てていく鈴子の生き方は爽快でもあり、無常的で虚しくもあり。だからこそ、道中で出会う「優しい人々」の優しさ、適度な距離の取り方が際立つ。

壁の無い人っていますよね。良く言えばフレンドリーな、悪く言えば距離感の無い人。人類皆兄弟ってな感じで、「絡もー」と「うぇーい」が口癖。良くも悪くも自分をさらけ出せる人。
すげー羨ましく見えるけど、じゃあ、なりたいかって聞かれるとなりたくない。だって疲れそうだし。

「コミュ障」という言葉が出来て久しい。「リア充」、「中二病」などと同様にライトな意味で誤用される言葉。けれど、その「ライトなコミュ障」こそ苦虫女の正体かもしれない。