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8人の女たちのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

8人の女たち(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人が殺された屋敷に閉じ込められる女達の話。

まずは、豪華キャストが目を引く本作。
…と言っても、私はカトリーヌ・ドヌーヴとイザベル・ユペールしか知らなかったんですけど、それでも、この2人の共演にはテンションが上がりましたし、他の女優さんも貫禄を感じるというか、華がありましたね。

舞台が50年代という事で、鮮やかな色彩の衣装も目に嬉しいし、昔の映画っぽいセット撮影も趣を感じさせるところ。
「切り返しのショットがないのは、セットが片方しか作られていないからかな?」と思ったのですが、元が戯曲という事で、舞台っぽさを表現していたのかもしれません。

物語的には、殺人事件に巻き込まれた人々の犯人探しが描かれます。
雪で屋敷に閉じ込められる…という設定も実にミステリーらしい作りではあるのですが、そこまで謎解き要素に重点は置かれておらず。
むしろ、見所となるのは、容疑者となった8人の女達による、暴露&中傷合戦。

「登場人物、全員ビッチ!」とでも言うべき、予想外の爆弾が次々と投下されるし、それに慌てふためくキャラクター達のリアクションも面白い。
普通だったら、もっと金銭や怨恨が動機になりそうなものですが、痴情の話が中心になるのは、流石は恋愛の国フランスといったところでしょうか。
個人的には、カトリーヌ・ドヌーヴが酒瓶で母親の頭を叩くシーンが笑えましたね。
タイミングというか、間が絶妙だったし、いくらなんでも年寄りの頭を鈍器で叩くのはヤバいだろ!と思ったり。笑

最終的には、主人が死を偽装してた事が分かるものの、秘密を暴露された事に絶望したのか、拳銃で自殺してしまうというオチ。
最後に女達が手を繋いで終わりますが、流石にこの状況で、女性の連帯を示されても無理があるというか…。
確かに、無責任な男に振り回された女性達の話ではあるんですけど、まぁ「この後は女同士協力してやっていきましょ!」という事なのかな。

途中途中で緩いミュージカルシーンが入ったりと、全体的に砕けた作りになっており、ミステリーというよりは、コメディーとして気軽に見るべき作品なのでしょう。
意外と何でも出来るフランソワ・オゾン監督の器用さと、大女優を扱う手腕を再確認させられましたし、フランス映画に詳しい人なら、より楽しめる作品になっていると思います。
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