70年代アメリカンニューシネマの爆走ロードムービー。
"様々な仕事にありつき、今は車の運送業を請け負う凄腕ドライバーのコワルスキーは、コロラド州デンバーからサンフランシスコまでの荒野を、警察の追跡を振り切りながら15時間不眠不休で走り切る"
『イージーライダー』と同じく自由を求めて走り続ける男を描いたストーリー。
超スピーディーでクラッシュ多発のカーアクション。
黒人のDJによる爽快なサウンド。
本当にクルマを走らせているかのような清々しい気分にさせてくれる。
どん詰まりな世界から解放されようとするヒッピーな内容であることや、いろんな所にキリストや十字架を彷彿させる描写があり《本当の自由とは何か》を深く考えさせられる作品だ。
ラストはアメリカンニューシネマなのでバッドエンドを思わせる結末なのだが、最後に主人公が満面の笑みを浮かべているので、いつもとは印象が違って見えてくる。
『BTTF』でデロリアンがマーフィーとドグの間を抜けてタイムスリップした時と同じように
《彼はブルドーザーの間を抜けて何者にも束縛されることのない自由なスピードの世界にへと旅立ったんだ!》
とそう思わずにはいられない。
まごう事なき大傑作だ。
「消失点なんてものは存在しない」