竜平

ハート・オブ・ウーマンの竜平のレビュー・感想・評価

ハート・オブ・ウーマン(2000年製作の映画)
3.9
広告代理店に勤めるやり手のイケ中年男がある日突然「女性の心の声」を聞けるようになってしまう、というところから始まる恋模様を描く。大人のファンタジックラブコメディ。

色恋沙汰にも仕事にも自信満々、というか自信過剰なバツイチ男に舞い込むヘンテコ能力。「なぜ」とかは一旦置いといて、そのファンタジックな設定とドタバタ系のコメディ要素に加えて、男女間のチグハグも見せつつ時に本質をも突いてくるようなラブストーリーになってたりする。主人公をメル・ギブソンが、ライバル会社からやって来る女上司をヘレン・ハントがそれぞれ好演。あとじつは出てるマリサ・トメイ。初っ端から能力開花、とかではなく一人の男の日常やら性格やら、また女性や娘に対する考え方やらをしっかり序盤で映し出していく。でコメディ調ながら時折ハートフルだったりもして、ヒューマンドラマとしても楽しめるところ。てか女性の考えてることが手に取るようにわかるってこんなん全男が欲しい能力なんじゃないか、とか思う反面、女性の思考をいちいち鵜呑みにしてたらそのうち気が狂うんじゃないかとか、今作を見てるとそんなふうにも思えてくる。もちろんこれは笑いどころね。恋愛のみならず、人間関係に於いて物事をはっきり言うタイプと内に秘めるタイプと、また表現が下手な人あざとい人などたくさんいる中で、ヘンテコ能力を通じて主人公が次第に紳士的になっていく様、女性と親身になって向き合い始めるという人としての「成長」が見えたりするあたり良き。前進したり後退したりの恋模様もわりとリアルなんじゃないかなと。

この設定での女性側を誘発するような、チートすぎるキスシーンは今作ならではかも、ということで個人的なの受賞させとく。
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